大阪府が11月、府立高校におけるヤングケアラーに関する調査結果を公表した。ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている生徒を指す。全府立高校生10万9264人の生徒を対象に調査を行い、約8万人から回答を得た。「世話をしている家族がいる」と回答した生徒は9236人で、全体の11.4%を占めた。前年度の調査(回答者約2万人)に比べ、4.9ポイント高かった。

家族の世話している生徒の回答からは切実な実態も見えてきた。世話の頻度については、ヤングケアラーの約4割が「ほぼ毎日行っている」と回答した。また、世話に費やす時間は「3時間未満」が約8割、「3時間以上」も約1割いた。

 

 

「世話をしている家族がいる」と回答した生徒が20人以上在籍している高校は全体の8割を超える145校あり、最も多い高校では126人いた。世話を必要とする家族のことや悩みについて他者に相談したことがある生徒は約1割に過ぎず、大半の7割を上回る生徒は他者へ相談したことがないと答えている。