経団連(日本経済団体連合会)は5日、「次期教育振興基本計画」策定に向けた提言を公開した。教育振興基本計画とは、教育基本法に示された理念を基に、日本の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法に基づき政府として策定する計画。5年ごとに変更され、現在、第4期の教育振興基本計画(2023年度~2027年度)の検討作業が中教審で進められている。
経済界が特に重要と考える指標及び目標値の案として、「学習者用デジタル教科書の整備率を90%」などを挙げた。文科省によれば、デジタル教科書の整備率は35・9%(2022年3月現在)となっている。
また、優先的に取り組むべき教育政策の施策として、高校教育における情報教育の改善に言及。2022年度より「情報Ⅰ」が必修科目となったものの、公立高校では2割強の教員が情報の免許を持たず、代わりに他教科の教員が担任するなどの臨時的な対応をとっていることを指摘。「外部人材の活用や遠隔・オンライン授業による複数校指導等も含めて、教科「情報」を専門的に指導できる教員の確保が急務である」と提言した。デジタル人材の育成に向け、大学入学共通テストでは全ての大学で「情報Ⅰ」を入試に課すべきとしている。