児童相談所が児童虐待に対応した相談件数が前年度比1.3%増の20万7659件(速報値)と過去最多を記録したことが、厚生労働省のまとめで分かった。

 

全国225カ所の児童相談所が児童虐待相談として2021年度に対応した相談件数をまとめ、2年連続20万件を超えた。内容別に見ると、子どもの前で家族に暴力を振るうなどの「心理的虐待」が最も多く59.2%。次いで、殴るなどの暴行を加える「身体的虐待」が23.7%と多かった。

 

 

経路別に見ると、警察が49.7%と最も多く、近隣・知人が13.5%、家族・親戚が8.4%と続く。学校は6.7%だった。

同まとめでは、2020年度に虐待を受け死亡した子どもが77人いることも明らかになった。そのうち、心中以外の虐待死は47人で、死亡した子どもで最も多い年齢は「0歳」の32人だった。

心中以外の虐待死における加害の動機は「子どもの世話・養育をする余裕がない」(5人)、「泣きやまないことにいらだったため」(4人)などがあり、主たる加害者は「実母」が29人と最も多かった。